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抜歯不要!混合歯列期の小児矯正における治療計画 「最大4mmの隙間を作るリーウェイスペース活用法」
小児の患者さんが来院される医院の先生は、叢生改善が必要なケースには頻繁に直面されるでしょうが、
実は矯正の先生はもちろんのこと一般歯科の先生であったとしても簡単に小児の叢生改善の矯正が可能になるケースがあることをご存じでしょうか。
しかも、ワイヤーベンディングも必要ありません。
そして何よりも一見は抜歯をしないと並べる隙間をとれないようなケースであっても、非抜歯で4mmものスペースを作ることができてしまうのです。
リーウェイスペースに関しては、歯科医師の先生はもちろんご存じだと思いますが、側方歯列群が交換するときに一定期間生まれる隙間です。
年齢で言うと10歳前後の小学4年生~5年生くらいの患者さん限定とはなりますが、
このリーウェイスペースを活用した矯正が非常に有効であり、尚且つ矯正難易度を極限まで引き下げることができるのです。
そこで今回、矯正医でありながら一般歯科も行っており、講演や書籍などを通して一般医院への矯正治療の導入・普及活動も活発に行なっている、峰歯科・矯正歯科クリニック院長の峰啓介(ミネケイスケ)先生に、矯正歴20年以上の経験から確立した…
「リーウェイスペースを活用した叢生改善の小児矯正」の超有料級の特別解説をお願いいたしました。
峰歯科・矯正歯科クリニック院長 峰 啓介 |
峰歯科・矯正歯科クリニック院長。
東京医科歯科大学歯学部卒業。
同大学院で矯正治療の研鑽を積む。
その後、三重県伊賀市で一般歯科、矯正歯科を行う。
昨今では、一般歯科医向けに「フル矯正のススメ」という矯正の難易度を極限まで下げた矯正治療導入セミナーを行い、今まで約150名の歯科医師が彼の矯正技術を学び、一般歯科に矯正メニューを加えることに成功している。
東京医科歯科大学歯学部卒業。
同大学院で矯正治療の研鑽を積む。
その後、三重県伊賀市で一般歯科、矯正歯科を行う。
昨今では、一般歯科医向けに「フル矯正のススメ」という矯正の難易度を極限まで下げた矯正治療導入セミナーを行い、今まで約150名の歯科医師が彼の矯正技術を学び、一般歯科に矯正メニューを加えることに成功している。
■ 経歴
- 東京医科歯科大学歯学部 卒業
- 同大学咬合機能矯正学分野(矯正科)入局
- 東京医科歯科大学咬合機能矯正学分野(矯正科) 卒業
- 三重大学医学部附属病院 口腔外科学 講座 入局
- 峰歯科・矯正歯科クリニック 院長
■ 学位・所属学会
- 歯学博士
- 日本矯正歯科学会認定医
- 日本口腔外科学会
- 島ヶ原小学校 桃青の丘幼稚園 校医
■ メディア出演
- ・読売新聞
- ・WEBラジオ「覚悟の瞬間」
- ・伊勢新聞
- ・伊賀タウン誌YOU
- …等、他多数出演!
乳歯のEから5番で考えると、その幅として上顎で約2mm、下顎で約4mm程度のリーウェイスペースができます。これらの数値の遠心移動を永久歯列で行うのはとても大変なのは歯科医師の先生であればご納得いただけるところでしょう。
そもそも、大臼歯の遠心移動は矯正の動きの中で最も難しいと言われており、様々な装置が考案されていますが、どれも面倒な装置ばかりです。
そして、いまだ遠心移動ならばこれという、定番の装置がありません。
リーウェイスペースは大臼歯が近心移動することによって閉鎖していきます。
とするならば、そもそもリーウェイスペースが閉じないような工夫をしておけば、結果的に遠心移動したのと同じ効果があります。
また、上顎においては犬歯の萌出前にアプローチでき、適切なスペースを確保できれば、八重歯にすることなく自然萌出で適切な位置に並んでくることもあります。
ちなみにこの手法は、Eの交換前にアプローチする必要があり、アライナー矯正では少し難しいと思われます。
Eの交換前はまだ萌出してない永久歯が何本かあり、それらがどこから生えて来るか分かりません。
そのため、アライナーが萌出を妨げない構造にする必要があり、もしアライナーに永久歯の萌出が邪魔されるようなら、たちまち失敗してしまいます。
しかしワイヤー矯正であればその辺りの心配はなくなります。今後萌出してくる歯をカバーしていないからです。
では矯正歴20年のベテラン矯正医である峰先生はどのようにリーウェイスペースを活用した治療計画を作っているのか?
具体的にお話いたしましょう。
前提としての話なのですが、リーウェイスペースを使うなら永久歯用の診断もしなくてはいけません。
つまり次のように3タイプのターミナルプレーンによってアングルの分類をしていきます。
例えばEの遠心がまっすぐになっている場合はこの時の6番の関係はまっすぐになりますので、6番の関係だけでいうと混合歯列期はアングルⅡ級となります。
しかし永久歯列期になるとアングルⅠ級になるのは…
上顎のリーウェイスペースより下顎のリーウェイスペースのほうが大きく、下顎の6番がより近心移動するために上下の6番の位置関係にずれが起こるからです。
ですので、リーウェイスペースをほおっておくと、上下の6番が近心移動することによってリーウェイスペースは閉じていきます。
しかし、5番とEの差でも左右合わせて4mm程度の隙間が見込まれるのでこれを見逃さないように活用していきます。
当たり前ですがEが抜けるとリーウェイスペースは数か月後になくなるので、まずはEが残っている時にボンディングしないとうまくいくことはありません。
叢生がある場合はそれ以外の歯に付けていくのですが、CやEが残っていても乳歯にはボンディングしません。
最初は軽くレベリングしたあと016×22のニッケルチタンのラウンドワイヤーに変えてさらに並べていきます。
ここである程度並んできたら6番のブラケットの近心にクリンバブルフックを装着してください。
この装着位置は左右の6番のブラケット直近のくっついているところで、ここに隙間があると6番が近心移動してきてしまうのでしっかりとくっついていることが大事です。
もちろんこの段階である程度並んでいることが重要で、並んでいなかったらこれを付けたところで並ぼうとしてしまうのでいったん口元が出てしまいます。
また、最大の注意点としてクリンバブルフックを付ける時に6番から6番の歯列の長さよりワイヤーが長いとたわんでしまうのですが、それを無理やり入れると上顎前歯がフレアアウトして唇側傾斜によって口元がもっこりしてしまいます。
ですので、クリンバブルフックが長くもなく短くもなくちょうどよいというサイズで合わせましょう。
この状態になるとほぼ完了で、後はEが抜ければ勝手にリーウェイスペースができて並びます。
いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介したリーウェイスペースを活用した治療計画は、上下ともに叢生があまりにも厳しい時は向かないのですが、条件が合えば非常に有効にリーウェイスペースを活用して特に難しいこともなく矯正できます。
また、この治療方針はボンディングしてワイヤーで並べるというものになるので、治療の開始時期が早すぎてもずっとワイヤー付けていないといけなくなるのでカリエスリスクが高くなります。
ちょうど良い時期を見極めるためにも、定期的に観察しておく必要があります。
そこで、リーウェイスペースを活用した治療計画をもっとわかりやすく理解していただくために、峰先生にお願いして実際にあった複数の症例を基に治療計画を立てていただくセミナーを開催していただき特別教材とさせていただきました。
収録内容から今回のご案内しきれなかった「矯正歴20年」の峰先生だから解説できるリーウェイスペースの活用法のセミナー動画教材の一部をご紹介しますと…
このようにリーウェイスペースの活用において本当に必要なポイントだけを解説した講義が54分に渡って語られていますので、初心者からベテランの先生まですぐに活用していただけると思います。
今回のセミナー講義で語られている内容は、条件とタイミングが合えば、抜歯という選択肢を結構な確率で減らせるので、小児患者さんを診ている医院は知っておいてまず損はない治療法だと思います。
今回のセミナー講義で語られている内容は、条件とタイミングが合えば、抜歯という選択肢を結構な確率で減らせるので、小児患者さんを診ている医院は知っておいてまず損はない治療法だと思います。
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