しかし、5番とEの差でも左右合わせて4mm程度の隙間が見込まれるのでこれを見逃さないように活用していきます。
当たり前ですがEが抜けるとリーウェイスペースは数か月後になくなるので、まずはEが残っている時にボンディングしないとうまくいくことはありません。
叢生がある場合はそれ以外の歯に付けていくのですが、CやEが残っていても乳歯にはボンディングしません。
最初は軽くレベリングしたあと016×22のニッケルチタンのラウンドワイヤーに変えてさらに並べていきます。
ここである程度並んできたら6番のブラケットの近心にクリンバブルフックを装着してください。
この装着位置は左右の6番のブラケット直近のくっついているところで、ここに隙間があると6番が近心移動してきてしまうのでしっかりとくっついていることが大事です。
もちろんこの段階である程度並んでいることが重要で、並んでいなかったらこれを付けたところで並ぼうとしてしまうのでいったん口元が出てしまいます。
また、最大の注意点としてクリンバブルフックを付ける時に6番から6番の歯列の長さよりワイヤーが長いとたわんでしまうのですが、それを無理やり入れると上顎前歯がフレアアウトして唇側傾斜によって口元がもっこりしてしまいます。
ですので、クリンバブルフックが長くもなく短くもなくちょうどよいというサイズで合わせましょう。
この状態になるとほぼ完了で、後はEが抜ければ勝手にリーウェイスペースができて並びます。
いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介したリーウェイスペースを活用した治療計画は、上下ともに叢生があまりにも厳しい時は向かないのですが、条件が合えば非常に有効にリーウェイスペースを活用して特に難しいこともなく矯正できます。
また、この治療方針はボンディングしてワイヤーで並べるというものになるので、治療の開始時期が早すぎてもずっとワイヤー付けていないといけなくなるのでカリエスリスクが高くなります。
ちょうど良い時期を見極めるためにも、定期的に観察しておく必要があります。
そこで、リーウェイスペースを活用した治療計画をもっとわかりやすく理解していただくために、峰先生にお願いして実際にあった複数の症例を基に治療計画を立てていただくセミナーを開催していただき特別教材とさせていただきました。
収録内容から今回のご案内しきれなかった「矯正歴20年」の峰先生だから解説できるリーウェイスペースの活用法のセミナー動画教材の一部をご紹介しますと…
このようにリーウェイスペースの活用において本当に必要なポイントだけを解説した講義が54分に渡って語られていますので、初心者からベテランの先生まですぐに活用していただけると思います。
今回のセミナー講義で語られている内容は、条件とタイミングが合えば、抜歯という選択肢を結構な確率で減らせるので、小児患者さんを診ている医院は知っておいてまず損はない治療法だと思います。
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